2011/07/19

ディープインパクトの登場がラフィアン低迷の原因?

先月のラフィアンツアー、パーティの二次会でのこと。最近のラフィアンの成績の低迷の原因についての話題もあった。もちろん原因は一つではなく様々な複合的要因であることは間違いはない。あくまでその中の一つということだが、ある明和の調教スタッフ、馬乗り10年のベテランの方はこのように話した。「ディープインパクトの登場で大きく変わった」と。私では思いつかない意見だったので今回記事にして考察してみたい。
 

もちろん、これだけでは何のことだか分からない。その方が続けて言うには「ディープインパクト以来、その鮮やかに追い込むレースっぷりを真似たスタイルの騎乗がかなり増えた。そしてスローペース症候群が加速した。」ということらしい。馬乗りの方らしい観点である。自分はこれまでこのような視点で競馬を見ていなかったので、本当にそうなのかよく分からない。個人的にはアドマイヤベガやエアシャカールの頃から既にそうだったような気もするし、ちょうどディープインパクトの頃からサンデーサイレンスも亡くなり、その孫が大幅に増えた時期とも重なるので、そのせいもあるかもしれない。
 

まだ、これが何故ビッグレッドの低迷に繋がるのか分かるまい。よく言われているように、ビッグレッドの得意の種牡馬としてブライアンズタイムやグラスワンダーのロベルト系があり、サンデー系は活躍馬があまり出現せず相性が良くないのではというデータがある。現にラフィアンの賞金獲得ベスト10にサンデー系はいないし、ベスト50まで見ても5頭しかいない。ちなみに現在のベスト50はちょうど総賞金1億円超えのラインとほぼ重なる。
 

それぞれを特徴を簡単に言えば、ロベルト系は長くいい脚を使う持続型であり、サンデー系はスローペースで鋭い切れ味を見せる瞬発力型である。ラフィアンの最近の活躍馬を挙げてみると、まずグラスワンダー産駒のマイネルスケルツィとマイネルレーニア。この2頭は典型的なマイネルの活躍馬と言える。マイル前後の距離を逃げに近い先行で押し切るスタイルの馬達である。他には、コスモバルク、コスモサンビーム、マイネルチャールズ、マイネルフォルケ、コスモファントムなどなど。これらの共通点とは、、そう、先行してそのまま押し切るタイプの馬ばかりなのである。もちろん中には例外もいるが、条件馬も含めてビッグレッドファーム(コスモビューファームも)の育成馬達は先行抜け出しのスタイルの馬が非常に多い。直線後方から鮮やかに追い込んで勝つオープン馬はほとんど思い浮かばない。このようになっている理由はもちろん調教の仕方にあるのかもしれないが、なぜこうなのか理屈は分からない。が、結果的にBRFには先行抜け出し、スピード持続型の馬が多く出てしまうのである。コスモバルク以来、縦列調教を取り入れてこの傾向から脱しようとしたみたいだが結果は出ていないようにみえる。
 

スピード持続型でも、メジロマックイーン、ビワハヤヒデ、タップダンスシチー、シンボリクリスエスなどの最強レベルなら他の馬なんて関係ない。自分でスパートすれば勝ててしまうのだが、多くの一般OPや条件戦では、スローペースで上がりの競馬となると、早めに抜けだしてもサンデー系の瞬発力型にゴール前で差されてしまうことが多い。スローペースだからと言って単純に前にいれば有利とは言えないようである。もちろんハイペースの持続力の勝負になってもサンデー系でも強い馬は強い。あくまで統計的な傾向ということである。
 

私はこの瞬発力型ではなく持続型に向いているBRFの育成を悪いこととは思わない。立派な個性であると思っている。しかし、持続型はスローで瞬発力が不可欠なったクラシックよりもマイル以下のレースで有利に働くことが多い。またはスタミナ勝負となり瞬発力の優位性が薄れる長距離である。最近ではマイネルキッツやコスモメドウが出ている。残念ながらビッグレッドの最大目標であり、生産にも一番力をいれていて、かつ社台など一番ライバルの多い中距離路線に向いていないのだ。
 

私は昔からなんとなくこの傾向は分かっているし自分の好みもあるので、ラフィアンの牡馬では瞬発力の中距離型ではなく持続力のマイラー型に出資することがほとんどである。私としてはこのタイプをもっと増やして欲しいと思っているのだが。もしラフィアンからクラシック馬がでるとしても、ぜひミホノブルボンやサニーブライアンのような馬になってほしいものである。
 

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