会報の6月号に繁幸社長がコンデュイットの競走馬・種牡馬としての特徴をディープインパクトも混じえて下記のように書いていました。
「体型も大変重要です。短中距離馬は、主に後躯の推進力で勝ちきることができます。少々ストライドに無理な姿勢があったり、一部に偏る負担があっても勝ちきれたりします。しかし、中長距離馬の場合、エネルギーロスがあることは許されません。コンデュイットの場合、その点もすばらしいのです。背中が少し短くて、飛節が直線的です。さらに繋ぎは長く、柔らかで、強靱です。ディープインパクトも同じ特徴を持っています。これらの特徴は、レース中に酸素を取り入れ代謝活動を行いながら走れることを物語っているのです。ですから、最後の200~400mで他馬が筋肉疲労を起こして末脚をなくしているところで強烈な末脚を発揮することができるのです。」
まず、ディープインパクトから考えてみます。下がディープインパクトの画像です。特徴として、現役時代、440キロ前後で走っていたように馬体重は小さいです。会報であったように、飛節が直線的、すなわち直飛であることも見て取れます。一般に直飛だとストライドが大きい走法と言われています。そして水色の矢印で示したように、トモの幅が他の一流馬と比べ小さいことが言えます。馬体の教科書的説明で、トモのボリュームは大きければ大きいほど良い、とよく言われていますが、このディープインパクトの体型でそれでは説明がつかなくなります。
飛節の角度と、トモの幅を併せて考えてみます。下半身の骨格に沿って線を引いてみました。飛節の角度は黄と緑の交点で表され、トモの幅は赤と青の線の骨格に依存することになります。
比較のため、他の馬にも同様の線を引いて並べてみました。トモの中の骨格は筋肉の隆起の仕方からの推測です。
左上:ディープインパクト 右上:ダイワメジャー
左下:クロフネ 右下:ステイゴールド
となります。
このように比べて見ますと、ディープインパクトは他の3頭と比べ、4本の線が比較的直線的なのがわかると思います。走りの特徴として、ストライドが非常に大きいことも言われていました。
右上のダイワメジャーはこの中では一番の曲飛気味でトモも大きい、すなわちジグザクな配置となっています。
左下のクロフネも大きなストライドで有名な馬でした。ゆえに直飛気味ですが、ディープインパクトと違い、トモは大きく赤と青線の角度はあり、すなわちパワーはあります。
右下のステイゴールドはディープインパクトと同じく馬格のない馬と言われていますが、トモの幅は馬体に比して十分にあり、4本の線もジグザグです。ディープインパクトよりはストライドよりのピッチの回転に頼る走法になり、同じ小柄と言っても、その性質はまったく違うものになります。
戻りまして、ディープインパクトのストライドの大きい走法は、この4本の線からなる直線的な骨格から生み出されるという言えるとは思いますが、私は今のところ生体力学的に上手く説明することができません。とりあえず、ここでは、ディープインパクトの体型の特徴として、直線的な下半身の骨格があることが言える、ということに留めておきます。
さて、このディープインパクトと同じ特徴を持った馬が他にもいます。そう、それがコンデュイットなのです。同じように線をいれています。トモ幅が小さく、直飛。ディープインパクトに近い、直線的な配置となっています。
※ JBISから画像を借りました。上から見下ろし気味で、本来より多少は直線的に見えている可能性があります。ご了承ください。
次回に続きます。
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