ラフィアンのツアーなどで牧場へ行くと、「社長」と呼ばれる人が二人いることにすぐに気づく。一人は現ラフィアンターフマンクラブ代表の岡田紘和氏。もう一人はラフィアンの前社長で総帥とも呼ばれている岡田繁幸氏である。総帥はラフィアンでは前社長ではあるが、牧場の一つであるコスモヴューファアームの代表でもあるので二人とも社長の肩書きで間違いはない。牧場ではそれぞれ「紘和社長」「繁幸社長」、二人合わせて「両社長」と呼ばれたりしてる。言うまでもなく紘和社長は繁幸社長の長男である。そして今度のCVFによるウイン買収によって、もう一人社長と呼ばれる人が増えそうだ。CVF専務で今度はウインレーシングクラブの代表になる三男の岡田義広氏だ。細かいことを言えば岡田美佐子氏もビッグレッドファームの代表だったりするのだが、社長と呼ばれているのは聞いたことがないので、とりあえず社長は3人にしておく。
さて、以下は色々な話を聞いてきての私の推測も多々あるので悪しからず。
まず紘和・繁幸の両社長、この二人はおそらくとても仲がいい。クラブと牧場の経営に関することはほとんど二人で話しあって決めていると思う。セリの会場でもよく二人一緒にいるらしい。そしてこの二人は馬に対する考え、見解が共通していることが多い。たまに二人に同じ質問をしてしまうのだが似たような答えが返ってくる。それだけ二人は日頃から馬について語り合っているのだろう。
義広氏であるが、ラフィアンの経営(配合や選定)の方には関わってこなかったせいか、色々と考え方が二人とは異なるように感じる。まず好みの馬がガチムチ系のパワータイプで、クロフネなどが好きな種馬であるらしい。それは昨年のお薦め馬がフレンチデピュティ産駒のマイネルカブトで、今年は父ゴールドアリュールのゲイングローリーの10というところにも現れている。両社長、特に繁幸社長とは違って、クラシックは強く意識していないように思える。
両社長はブライアンズタイムを評価していて高齢になった今でも毎年、自家繁殖につけているのだが、義広氏はもうブライアンズタイムは古いと思っていて、今年のお薦め馬の中に一頭も入れていなかった。その他話を聞いていると色々違う。紘和・繁幸両社長の見解は似ていることが多いが、義広氏は一人我道を歩んでいる印象だ。
ラフィアンの募集馬の選定だが、まず最近の自家生産の配合などは紘和社長が中心になっているようだ。セリや他の牧場からの馬の仕入れは二人だけでなく、義広氏も一緒に行っているらしい。それらの馬の中からの中央競馬で通用する馬の選定は両社長で行うが、ラフィアンの募集馬の最終決定は紘和社長が中心であるらしい。厩舎や騎手などの人付き合いに関しては繁幸社長の意向が大きいようだ。例えば丹内騎手は繁幸社長が気に入っているらしい。他にも例えば、今年のラフィアンのカタログで従来の「体質」「筋肉」などの独特の説明がなくなってしまった件、あれも繁幸社長が前からわかりくいからやめろと言っていたものらしい。それを聞くと、まだまだ繁幸社長はラフィアンの至るところに口を出していることが想像がつく。
そして今度のCVFのウインレーシングクラブ買収の件によって、この体制は変わるだろうか。まず最初に言えることとして繁幸社長、すなわち総帥はまだまだ隠居する気はないようである。現役を続けるおつもりらしい。という訳でウインの社長は義広氏になるけれど、経営に関して今のラフィアンと同じく総帥は大きく絡んでくるだろう。それは総帥がCVFの社長であるしCVFの敷地内に住んでいることからもそう思う。
ラフィアンは紘和氏、ウインを義広氏に任せて競わせて互いに発展させるというシナリオはまだなさそう。その代わりにラフィアンの方は総帥が完全に口を出さなくなるということはないと思うけど、紘和社長が一人で決定することは以前よりは増えると思われる。
当初はラフィアン・ウインの関係は社台・サンデーのように実態は一つのクラブになると聞いていたし、そう思っていたのだが、最近の動きを見ているとそうでもないようだ。牧場の方では連携があるかもしれないが、クラブの方から見ると、会費はもちろん別だし、ラフィアン会員にウインのカタログを送る予定はないということだし、思っていたよりも別クラブになりそうな感じだ。ラフィアンの事務スタッフからウインの方に移る人もいるとの噂もあるが、それは両クラブが連携よりも、ウインと牧場との連携が目的と思える。
今のラフィアン紘和・繁幸体制から、ラフィアン紘和、ウイン繁幸・義広に近い体制になるのだと予想はしている。それでもまだ、ラフィアンから繁幸総帥の影響が薄くはなってもなくなることはないとは思う。総帥がウインの方に移るとなれば、ラフィアンの会員の中でもウインの方に魅力を感じてそちらの方に重みを置く会員は多いとは思う。私は総帥がいる方は良く言えば安定していて、悪く言えばこれまでとあまり変わらない、逆にラフィアンの方が総帥の影響が薄くなり、紘和社長の独自色が出てきてこれまでは変わってくると思う。それがいい方向か悪い方向になるかはまだ分からないが、もちろんいい方向に出て欲しい。紘和社長は総帥に比べると、真面目タイプで吹いたり人を引きつけるような話はできないが、色々話してみると馬についてとても詳しいし考え方もしっかりとしている人だとは思っている。
さて、ウインへの入会はどうするべきか。まだまだ情報は出揃っていなくて見確定事項も多いが、今のところはウインの入会するつもりはない。会費が別というのはやはり負担にもなる。もしウインに入るとしたら、ラフィアンとのツアー合同が大きな条件になると思う。やはりツアーの出資馬を決めるための大きなイベントでぜひ参加したいもので、それが別々にあり、その度ごとに北海道に行くのも負担になる。でも、今のところこれは望み薄かなと思う。
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