2011/03/02

ダーレーの戦略的種牡馬 コマンズ

かつては海外で走った種牡馬がメインでしたが、アドマイヤムーンやディープスカイなど日本の馬も導入しより多彩で魅力的なラインナップを提供しているダーレー・ジャパン・スタリオン・コンプレックス

出資馬であるパツィエンザの09の父ザールも私の注目の種牡馬ですが、今回取り上げてみたいのはコマンズです。豪州からのシャトル種牡馬で昨年もオーストラリアから日本にやってきています。今年も再来日して2年のシーズンとなります。

以下抜粋
「コマンズは、父Danehill、母Cotehele House(母父My Swanee)という血統で、全兄に豪チャンピオンホースDanewinが、おじにG1競走10勝馬Octagonalがいる良血馬。本馬は、STCミサイルS(豪G3)など通算15戦4勝(重賞1勝)という成績をあげ、種牡馬としては2010年にエレウォンやスキルドが新たにG1馬として加わり、通算でG1馬6頭を輩出している。今年も既に10頭のステークスウィナー(ステークス勝馬頭数は豪州1位)を輩出し、豪州種牡馬リーディング第3位に躍進している。」

このコマンズですが、今年の種付け料も昨年と同様に500万円とかなり高額に設定されています。これはキングカメハメハ、ゼンノロブロイ、マンハッタンカフェらと同額。400万のネオユニヴァースやダイワメジャーよりも上です。ダーレー・ジャパン内でも最高額の種牡馬です。

父デインヒルということでオーストラリアで大人気種牡馬で実績も十分ということはわかりますが、あくまでも短距離種牡馬。日本ではあまり人気になりそうにありません。しかしこれはオーストラリアで高額な手前、日本でも表向きは安くできないということで、実は値引きの裏料金があるという噂ですが。。。

昨年は64頭に種付けをし、うち58頭がダーレーの繁殖だということで外部の種付けは少数です。今年も50頭以上の種付けを予定しているとのこと。ここであれ?と思うのは外部の少なさではなく、ダーレーの種付け数。現1歳のダーレーの生産馬を見てみると全90頭で半数以上は同ファームの種牡馬ですが、アグネスタキオンなど外部の種牡馬も積極的に取り入れバランスの良いラインナップに見えます。それを自家繁殖の半数以上にコマンズをつける大幅な方針転換です。

これの意味するところはなんでしょう。明らかに日本の中距離のクラシックを狙うつもりではなさそうです。恐らくサンデー系をはじめ中距離重視の社台グループに正面から立ち向かうのではなく、逆に手薄な分野である短距離路線で勢力を伸ばそうとしているのでしょうか?だとしたら賢明な作戦だと思います。真意は分かりませんが興味深いです。

ところでコマンズの兄はチャンピオンになった競走馬ですが、コマンズ自身はG3を一つ勝ったのみで競走馬としては大成したとまでは言えません。それでもこんな大種牡馬になっています。フェアリーキングのように海外ではよく聞く話ですが、日本ではまず聞きませんね。そういう意味でディープの全弟オンファイア(G3で3着)は注目していますね。

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